第5回宮城県「柔道整復学」構築学会(平成25年5月26日)

第5回宮城県「柔道整復学」構築学会は、平成25年5月26日(日)午前9時30分より、仙台国際センター橘会場にて開催されました。東日本大震災から早や2年が経過し、各地で復興の槌音が聞かれる中、本学会におきましても、震災後、初の開催となりました。

私達を取り巻く医療環境は、事あるごとに大変厳しい状況にあると囁かれておりますが、そのような状況下にあるからこそ、柔道整復術の一般性、法則性、科学性などを研究・解析・検証する事により確かな拠り所を確立し、柔道整復師の存在意義の何たるかを模索してゆく手段として、柔道整復学の構築は必要不可欠であるといえます。

そのような大前提に立ち、第5回という節目となる今回では、我々柔道整復師が社会のニーズに向き合い、進むべき方向性をここ宮城の地から業界全体に発信して行きたいという思いを込めて、また、公益法人としての自覚もしっかりと携える意味で「~ 宮城発、求められる柔道整復師とは ~」とのテーマを掲げました。

以下に、今回の内容について、ご紹介させていただきます。

 

宮城県「柔道整復学」構築研究委員会 中間報告

座長 委員会特別顧問 医学博士 佐藤揵先生

◆タイトル
「機能的治癒」をコーレス骨折のモデリングから考察する
発表者:委員長 岩佐和之先生

◆タイトル
「柔道整復師が行う器質的損傷、機能的損傷のタイプによる治療方針の検討 ~足部・足関節損傷における治療方針についての調査~
発表者:委員 若井晃先生

◆タイトル
いわゆる「柔整捻挫・挫傷」に関するアンケート結果についての考察 ~下肢について~
発表者:委員 田村博先生

いずれも中間報告として素晴らしいデータの蓄積が有り、今後が期待される発表になりました。また、次の報告も社会のニーズの一つとして取り組んできた報告です。

 

公益社団法人 宮城県柔道整復師会 介護事業企画室活動報告

◆タイトル
柔道整復師が介入する訪問機能訓練事業の効果研究 ~宮城県柔道整復師会訪問機能訓練実施報告~
発表者:室員 若井晃先生
訪問機能訓練における効果の検証として
① 身体機能及び構造分野
② 健康に対する体力要素分野
③ ADL、IADL分野
④ QOL分野

いずれも、柔道整復師が行う訪問機能訓練は、向上が図られた事により閉じこもりが解消され、対象者の望む生活を取り戻す事が実現できる可能性が示唆されました。

◆タイトル
訪問機能訓練サービスから見る柔道整復師の役割 ~柔道整復師が地域で初期からしっかりケアし、重度化させないための地域資源へ~
発表者:室員 中川裕章先生

結論として、「予防給付対象者(一次予防対象者・二次予防対象者)に対して身体機能の向上並びに精神機能(認知症予防)に対する正確な介入が、今後、社会保障の一元化を図る上で、医療、介護の切れ目ない支援を実現させるためにも明確な課題である事が推測された。」としています。

 

市・県民健康講座

<市・県民健康講座>
発表者:新渡戸文化短期大学学長 医学博士
中原 英臣先生
「元気で働くための健康管理」~テレビじゃ言えない健康話のウソ~

<市・県民歴史講座>
発表者:内科医・作家
おおたわ 史絵先生
「現代人の心と体のカルテ」~ストレス社会を生き抜くために~
 
各先生方には大変有意義なお話を頂き、今後の健康管理に役立てたい内容でした。

 

市・県民実技講座

救急救命講習会
1)応急手当てをする前に
2)心肺蘇生法
3)AEDの使用法
4)その他、質問など

【主催】
・公益社団法人宮城県柔道整復師会
・宮城県柔道連盟

【講師】
・日本赤十字社宮城県支部
救急法指導員
庄子和良様
及川さおり様
戸ヶ瀬雅裕様
相澤智栄様
・接骨院ボランティア宮城地域代表

上記の講習会は我々震災を経験した者にとって、是非、身に付けて頂きたい事の一つです。ご参加者の方々も70名を超え、好評を博しました。

 

柔整関連講座

◆タイトル
超音波画像で観る組織損傷
発表者:株式会社エス・エス・ビー
執行役員 超音波営業部
部長 富田孝次様
超音波新時代
1)評価が大きく変化した超音波診断装置
2)柔道整復師のエコー使用について
3)最新機種の画像(簡単な実演)
4)カラードップラーとⅩ線で判別がむずかしい骨折症例
5)運動器の血管内治療について
6)超音波使用者の声

上記講演は、動画による組織損傷の診断やカラードップラーによる血管の分布やX線では診断が難しい骨折症例等の説明が有り大変有意義な講演をして頂きました。

 

医療機器展示会

最新医療機器の展示説明をして頂きました。

 

上記の講演、報告は、今後の礎にして頂きたいと思います。有り難うございました。